夢見る貝 ーストーリー

俗に「街」と呼ばれる規模の人里から、車で1時間ほど山へ入ると、入間村という村落を通る。
国道はそのまま先へと続き、更に30分ほど離れた所にある蓮月村という、
もう少し大きめの村へ繋がっており、そこまで行くともう街の端と呼べるだけの人々が住んでいる。

この、街と街との間に、取り残された様に存在する入間村は人口1500人ほどの寒村で、
時代の流れに取り残されてかろうじて存在している様な、のどかな村だった。

主人公、入間弾はこの村にある赤子の時に神社の門前に捨てられ、入間神社の神主に拾われて育った。
弾が捨て子だという事をなじる人間こそ居なかったが、
狭い村落ではどうしても特別な目で見られる事になり、どことなく人を遠ざける青年に育っていた。

その弾と共に育ったのが、入間神社の神主の実子である入間かなで、
彼女のおかげで弾は屈折しすぎない程度の性格に抑えられた様な物だった。

同年代の友達として、足見陽彦がおり、入間弾、入間かな、足見陽彦は
村に唯一存在する入間学園に共に通っていた。

そこに、三人の不思議な少女達が転入してくる事となった。

大人しい年上の雰囲気をもつ車坂花衣、男の子の様な言動と毒舌をする車坂亜希、
そして、白髪、灼眼の異形の姿を持ちつつ、純真な話し方をする鬼ヶ瀬白馬。
三人は、寒村である入間村より、更に山奥にある太乙村から来ており、
太乙村はダムの建設予定地になった為、村を捨てる事になっていた。

この三人のうち、花衣を見た弾は、記憶のどこかで、昔、彼女の事を見た様なデジャヴに襲われ、
そして花衣の方も同じく、弾の事を昔見た様な気がすると言う。

捨て子だった自分の過去を探そうとする弾は、
花衣が切り口になるのではないかと思い、転入生達と話をしていく。

一方、この入間村及び蓮月村には、古来から「喰線虫」と呼ばれる毒虫の話が語り継がれており、
極めて珍しい虫で捕まえれば高価で売れるという噂もあった。

この虫は、海外では「グリッド・イーター」と呼ばれ、月が血の色に染まる夜にだけ、
地中から出てくると言われている。